バイト・パートをかけもちしている人の中には、
税金はどうすればいいの?
確定申告はしないといけないの?
という疑問を持っている方もいるかと思います。
かけもちしているときの税金は意外と複雑で、ケースによっては何もしなくていいことも。
どの書類のどの部分を見ればいいのか、どういうケースにあてはまれば確定申告が必要になるのかをご紹介しますね。
源泉徴収票を用意しよう
まずバイト先からもらっている源泉徴収票を用意してください。
2つのバイト先をかけもちしている人を前提に話をしていきますが、3つ以上でも考え方は同じです。
それとこの記事では、収入が多いほうの勤務先を「メイン」、収入が少ないほうの勤務先を「サブ」と呼ぶことにします。
ちなみに源泉徴収票とは、給料を支払う側が
- 従業員へ年間いくら給料を支払ったか
- 所得税をいくら天引きしているか
- 社会保険料をいくら徴収しているか
などを証明するために作成し、従業員へ渡す義務があるものです。
こういったものをバイト先からもらっているかと思います。
もし手元になければバイト先に依頼すると発行してくれるかと思います。
どうしてもバイト先が発行してくれなければ、給与明細から必要な金額をひろってください。
サブのバイト先の給料が20万円以下のとき
確定申告しなくていいケース
まずは、サブのバイト先の源泉徴収票の赤枠で囲ったところをみてください。
左側の「支払金額」を見れば、そのバイト先から1年間でいくら給料をもらっているか確認できます。
右側の「源泉徴収税額」を見れば、その給料からいくら所得税が天引きされているかがわかります。
- 支払金額が「20万円以下」
- 源泉徴収税額が「空欄(所得税が天引きされていない状態)」
であれば、確定申告する必要はありません。
法律で、2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、確定申告をする必要がないと決まっているからです。
確定申告を検討したほうがいいケース
確定申告を検討したほうがいいケースは、支払金額は20万円以下だけど、源泉徴収税額欄に金額が記載されているときです。
サブのバイト先からもらう給料が少額でも、大目に所得税を天引きしなければならないルールになっています。
サブのバイト先からの給料が年間20万円以下だと、天引きされる所得税も数千円だと思いますが。
確定申告をすればその天引きされた所得税が全額還付されることもあるので、検討してみてもいいかもしれません。
検討には国税庁の確定申告書等作成コーナーをご利用ください。
法律的には確定申告する必要はないですが、場合によっては所得税が還付されるケースを紹介しました。
計算してみた結果、ほとんど所得税が還付されないときはあえて確定申告をしなくても大丈夫です。
次にサブのバイト先の給料が年間で20万円を超えるときをみていきます。
サブのバイト先の給料が20万円を超えるとき
サブのバイト先の給料が年間で20万円を超えてくると、メインのバイト先の給料がいくらなのかで対応が変わってきます。
年収が103万円を超えている
サブのバイト先の給料が20万円を超えていると、原則として確定申告をする必要があります。
年収によっては追加で所得税を納める必要がでてくるかもしれません。
逆に天引きされた所得税が還付されることもあるため、先ほど紹介した国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用して計算してみましょう。
年収が103万円未満で所得税が天引きされている
所得税の計算上、年収が103万円未満だと税金は1円もかかりません。
ただし、バイトをかけもちしている場合、サブのバイト先では大目に所得税を天引きするというルールになっていることを紹介しましたよね。
サブのバイト先は、あなたの年収がいくらなのか知らないですし、年末調整をする義務もないのでルールにのっとって所得税を天引きします。
そのため、年収が103万円未満でも源泉徴収票を見ると源泉徴収税額欄に金額が記載されていることがあります。
確定申告をすると源泉徴収税額欄に記載されている金額が、全額還付されるので確定申告にチャレンジしてみてください。
年収が103万円未満で所得税が天引きされていない
サブのバイト先の給料が20万円を超えると確定申告をしないといけないのですが、年収が103万円未満だとそもそも所得税を納める必要がありません。
例えばこんなケースです。
- メインのバイト先:給料が70万円
- サブのバイト先:給料が30万円
- 年収:100万円
- どちらからも所得税が引かれていない
確定申告をしても、税金は発生しないのでわざわざ確定申告をする必要はないかと思います。
最後に注意が必要な点についてふれておきますね。
住民税には注意が必要
先ほどからサブのバイト先の給料が20万円を超えるかどうかで、確定申告をする必要があるかどうかをお伝えしてきました。
この20万円基準は、国に払う所得税だけのルールになっています。
要は、住んでいる市町村・都道府県に払う住民税には関係がないということです。
ですので、今までお伝えしてきた中で、所得税の確定申告をする必要がない方でも住民税の申告は行わなければなりません。
住民税にも所得税と同じように、税金がかからない年収があるのでお住まいの自治体(市町村の役所)に聞いてみるといいでしょう。
まとめ
バイト・パートをかけもちしている人むけに税金がどうなるのか、確定申告をする必要があるのかをご紹介しました。
まず、サブのバイト先の給料が20万円を超えるかどうかで対応が変わることを知っていただけたかと思います。
また年間の全ての給料を足した年収によっても違いが出てくるので、あなたがどういう状況にあてはまるかチェックしてみてください。
住民税については、申告しなくていいルールが存在しないので、かけもちしているときは申告が必要になることも。
お住まいの市役所などに確認するのが最も簡単だと思います。