税務相談会で年金を複数年分まとめてもらったけどどうしたらいいか?
という相談を受けて、間違った回答をしそうになりました。
勘違いしやすい論点だと思ったので、備忘録的に処理方法を書いてみました。
- 年金を複数年分まとめてもらった人
- その方のご家族
なぜ年金をまとめてもらうことができるのか?
これはいまいちわかっていません。
年金のプロではないのでご容赦ください。
年金は今のところ受給開始年齢が65歳に設定されていますが、65歳になったら自動的に支払われるのではないことが理由の一つかと。
年金をもらうためには決定請求という手続きをしないといけないようです。
日本年金機構(年金事務所)から手続きのための書類は届くようです。
手続きを忘れてしまった状態で何年か放置した人が、あとでまとめてもらうためではないかと思います。
税金(所得税)の取り扱い
相談会場で受けたのは、年金を5年分まとめてもらったから税金をいっぱい払わないといけないよと言われた
どうすればいいですか?という相談でした。
誰に言われたかは覚えていないとのことだったのですが、おそらく手続きをしたときに年金事務所の人に言われたと推測します。
税務署の人なら税金の取り扱いを間違えることはほぼないので。
これ勘違いしやすい論点なんです。
まとめてもらったんなら、もらった年に一括して収入として計上するのが一見ただしい処理のように思えます。
初めてこういう相談を受けたので、間違えそうになったのですが、国税庁のタックスアンサーを見ると。
所得税法基本通達 36-14(雑所得の収入金額又は総収入金額の収入すべき時期)
雑所得の収入金額又は総収入金額の収入すべき時期は、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に掲げる日によるものとする。
(1) 法第35条第3項《雑所得》に規定する公的年金等
イ 公的年金等の支給の基礎となる法令、契約、規程又は規約(以下この(1)において「法令等」という。)により定められた支給日
ロ 法令等の改正、改訂が既往にさかのぼって実施されたため既往の期間に対応して支払われる新旧公的年金等の差額で、その支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその改正、改訂の効力が生じた日
(注) 裁定、改定等の遅延、誤びゅう等により既往にさかのぼって支払われる公的年金等については、法令等により定められた当該公的年金等の計算の対象とされた期間に係る各々の支給日によることに留意する。
(2) (1)以外のもの
その収入の態様に応じ、他の所得の収入金額又は総収入金額の収入すべき時期の取扱いに準じて判定した日
少しわかりにくいですが、要するに前年以前の年金をまとめてもらったとしても年分ごとに収入として計上する
というのが正しい処理方法となります。
平成30年に平成29年以前の年金をもらったとしても、その年金は平成30年の確定申告には含めないということですね。
金額によっては平成29年以前の確定申告をやり直すという必要が出てきます。
まとめ
税務署が作成している誤りやすい事例集というのがあって、それに目を通していたのでなんとか間違えずに回答することができました。
自分のお客様に年金をもらっている人がいないので、忘れないように気をつけます。
年金、退職後の税金について自分で調べたい方にはこの本がおすすめです。