一部の地方自治体で先に導入されていた税金のクレジットカード払いが、平成29年から国の税金でも利用できるようになりました。
10年以上前は、金融機関や税務署の窓口での納付しか選択肢がありませんでした。
ここ数年間でインターネットバンキングを使った納付ができるようになり、支払方法の選択肢が増えてきています。
新しく創設されたクレジットカード納付をご紹介します。
- クレジットカードで税金を支払いたい人
- 資金繰りが厳しい人
税金の納付方法
国税の納付方法は、以下の6つです。
1.ダイレクト納付
e-Taxを使用して預貯金口座からの振替により納付する方法で、e-Taxの開始届出書とダイレクト納付利用届出書の提出が必要
利用できるようになるまで1ヶ月ほどかかるため余裕をもって手続きを進める必要がある。
2.インターネットバンキング
インターネットバンキング等から納付する方法
こちらもe-Taxの開始届出書を提出が必要で、金融機関とインターネットバンキングの契約をする必要がある。
3.クレジットカード納付
国税クレジットカードお支払サイトかe-Taxよりクレジットカードで納付する方法
4.コンビニ納付
コンビニの窓口で納付する方法
バーコード付きの納付書を事前に入手しておく必要がある。
5.振替納税
預貯金口座からの振替により納付する方法
振替依頼書の提出が必要で、個人が所得税や消費税の申告をした場合に利用できる。
6.窓口納付
金融機関や税務署の窓口で現金に納付書を添えて納付する方法
最も一般的な方法は、直接窓口で支払うこの方法となっています。
国の税金がクレジットカードで納付できるようになった
税金の種類
クレジットカードで納付できる税金の種類は、全ての国税となっています。
所得税、消費税、法人税といったメジャーなものから航空機燃料税など馴染みのないものまで対応しています。
- 所得税・復興特別所得税
- 消費税及び地方消費税
- 法人税(連結納税含む)
- 地方法人税(連結納税含む)
- 相続税
- 贈与税
- 源泉所得税
- 酒税
- たばこ税・たばこ特別税
- 石油税
- 石油石炭税
- 電源開発促進税
- 揮発油税・地方道路税
- 石油ガス税
- 航空機燃料税
- 登録免許税
- 自動車重量税
- 印紙税
また本税だけでなく、加算税や延滞税なども支払えます。
利用できる金額
クレジットカードで税金を支払える金額の上限は、1度の手続きにつき1,000万円未満となっています。
また、クレジットカード会社との契約によりカードの利用限度額が決まっていますので、その決済可能額を超えることはできません。
利用できるクレジットカード会社
利用可能なクレジットカードのブランドは、以下の6つです。
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- TS CUBIC CARD
税金をクレジットカードで支払うメリット
支払いが先延ばしできる
クレジットカード納付の最も大きなメリットは、決済から支払いまで1〜2ヶ月先延ばしできることです。
資金の余裕があり、問題なく納税できるなら、あえてクレジットカードで税金を支払う必要はないでしょう。
予想より納税額が発生した場合などは少しでも支払いを延ばせると、資金繰りが厳しい時は助かるのではないでしょうか。
24時間いつでも支払いが可能
窓口納付の場合は、窓口が開いている時間帯でしは支払うことができません。
銀行だと15時まで、税務署でも17時までには窓口は閉まります。
クレジットカード納付は、24時間いつでも利用できますし、わざわざ窓口に行く必要がありません。
ただし、e-Taxから納付手続きをする場合は、e-Taxの利用可能時間内にしか手続きができません。
クレジットカード会社のポイントがつく
通常の利用時と同様に利用金額に応じて、クレジットカード会社が発行しているポイントが付与されます。
実際に付与されるかはクレジットカード会社によって異なる可能性があるので、確認は必要ですが。
決済手数料以上のポイントが付与されるなら、現金で支払うよりお得になります。
税金をクレジットカードで支払うデメリット
決済手数料がかかる
クレジットカード納付は、国税庁がトヨタファイナンスに委託して運営されています。
そのため納税者が支払うべき税金をトヨタファイナンスがいったん立て替えて、国に納付する仕組みをとっています。
トヨタファイナンスが負っている貸倒れリスクと利用者が得る納付繰り延べの利益に対して、利用者が決済手数料を支払うという理屈になっています。
実際に支払う決済手数料は以下の通り。
支払サイトでは、決済手数料の試算もできるようになっています。
支払う金額によって変わりますが、0.8%前後の手数料が取られます。
少額の納税の場合は、1%を超えてくるので結構負担が大きいかもしれません。
国税クレジットお支払サイトで納付税額を入力して、支払うことになる決済手数料を試算することができます。
手続き内容を後日確認できない
納付手続きの時に入力した内容を後日確認することはできません。
クレジットカードを複数枚利用している場合は、どのクレジットカードで手続きをしたかメモしておきましょう。
納付手続完了ページ画面を印刷しておくことのが最もおススメです。
また手続きのときにメールアドレスを入力しておくと、納付手続完了メールが届きます。
納付手続きの流れ
国税クレジットカードお支払サイトか、e-Taxにアクセスする方法の2パターンがあります。
今回は支払サイトからの手続きの流れを説明します。
こちらからサイトにアクセスできます。
1.注意事項の確認
あとでトラブルにならないためにも、まずは利用にあたっての注意事項を確認してください。
注意事項のチェックボックスにチェックを入れると、同意ボタンをクリックできるようになります。
2.利用者情報の入力
氏名や住所などを入力してきます。
法人名を入力する欄が現在はありませんので、個人利用をメインに考えているのかもしれません。
いつの間にか例示のところに「株式会社国税」と書かれていました。
うちの法人のお客様でもクレジットカードで納付されているところがあります。
3.納付内容の入力
納付税目を選択すると課税期間以下の情報が入力できるようになります。
確定申告の場合は、本税と合計額の欄に納税する金額を入力してください。
4.クレジットカード情報の入力
納税する金額に応じて、決済手数料が加算されます。
カード番号その他の情報を入力します。
必須項目になっていませんが、手続き内容を確認するためにメールアドレスは必ず入力しましょう。
次のページで入力内容を確認し、納付ボタンを押して手続きは完了です。
まとめ
納税を先延ばしできるというメリットもありますが、決済手数料がかかってしまうのがネックです。
その他の納付方法だと手数料を支払うことはないので、決済手数料がかかるせいでクレジットカード納付はあまり広がらないかもしれません。
あまり知られていないせいか制度が始まった年の利用件数は、全体の0.1%だったそうです。
もっと決済手数料が安くなればもう少し広まっていくのではと思います。
あと、資金繰りが厳しい人は利用を検討してもいいのでは。
意外とこういう内容の本は面白いですよ。